201020_運命の人じゃん

献血が好きなのだけれど(なぜなら「ヘモグロビン濃度」という極めて実存的な私を示す変数について褒めてもらえるので),きょうの10時くらいに日本赤十字社からこういうLINEが来た。

現在、貴方様と白血球型(HLA)の適合する患者さんが輸血を必要としておりますが、未だ献血にご協力いただける方が見つかっていない状況です。ご多忙のところ、急なお願いで誠に恐縮ではございますが、下記期間中、成分献血(血小板)にご協力いただけないでしょうか。

献血をしてくれる人が少ない時期のお知らせは来るけど,こういうかしこまったお願いはこれまでもらったことがなかったし,ちょうど献血ルームがある場所に行く日と依頼期間が被っていたので電話をして予約した。希望する献血ルームのベッドの空きがないとのことで,じゃあ別の献血ルームでもいいですよ~と言ったのだけれど,最終的に希望する献血ルームで調整がついたので,緊急度も重要度も高い献血なのかなと思う。

・血液型はともかく,HLA型は聞いたことがなかったので検索してみた。家族以外で合致する確率は数百~数万人に1人らしい。まさしく運命の人じゃん!と思い付き,謎の昂ぶりをおぼえてしまった。「私の血を待っている人がいる……」って言いながら院生部屋を出る私を想像して,ちょっとかっこいいかなって思った(中二病)。

修論もろくに書けないポンコツ院生の血でよければ数人分くらい抜いてもらってかまわないので,運命の人には病気の治療なのか手術なのか分からんけどまあ頑張ってほしい。

・後々調べたので追記。一般的に輸血は血液型が合っていればなんとかなるようなんだけど、それでもHLA 型を指定しなければならない状況は、繰り返し輸血を受けなければいけない血液疾患に罹患しているケースに多く見られるようであった。そしてHLA型の一部は遺伝する。

・実は現在私の母も悪性リンパ腫をやっている。彼女の場合は輸血までする必要はないけど、数十年かけて化学治療による寛解と再発を繰り返す(もちろん最後は死ぬ)らしい。私は母とさして仲良くできないけれど、私の献血で母のような(もっと症状が重い)誰かが助かるのであれば、遠回りな親孝行なのかもしれないと思う。


根津駅から帰りの混雑した千代田線になんとか無理やり乗り込んで、ドアが閉まったと思ったら再び開いた。しばらくドアが開いたまま待っていたら「具合が悪いお客さまの救護のため停車します」のアナウンスがあった。そりゃ大変だ。そうしているうちにふたつ隣のドアから乗客が何人か降りたり、その方面から乗客が車内を移動してきたり、駅員や車掌がホームを走ってきたりでほうなんとなく察しがつくぞ……と思ったらやっぱり戻した人がいたようだった。

・そのあとしばらくして電車が発車して、西日暮里と町屋あたりで何度かアナウンスがあったがどうやら車内清掃はまだしていなかったらしい。アナウンスからは戻した物をどう呼ぶかについて、車掌の逡巡がみられておもしろかった。「吐瀉物」じゃ音で伝わりにくいし、「汚物」とも呼べない難しさ。北千住駅で降りたタイミングで車内清掃チームが入っていくのを見てチームワークだなぁと思った。